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2020年4月 2日

●春ノ空ニ想フ

久しぶりに空を見上げました。
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換気をするために開けた部屋の窓を通り抜ける風が、春の匂いを運んで来てくれて、それだけで本当に幸せで、たまらない気持ちになりました。

閉塞感を感じざるを得ない昨今、このささやかな幸せをとても尊く思います。

作詩家・久仁京介先生に初めてお逢いしたあの日も、同じ空の色でした。

丁度、明治大学3年生になった春。お逢いして間もない頃、先生が「カラオケ愛好家向けのレッスンビデオの生徒役を募集してるんだけど、良かったら出てみないか?」と、願ってもないチャンスを下さったのです。

歌手になりたいと思いながら上京したのに、何一つきっかけを掴めず、全く前に進めていなかった僕でしたから、藁をもすがる思いで収録現場に向かいました。

その収録で歌わせて頂いたのが、加門亮さんの「黒のララバイ」でした。

あの日、久仁先生が声をかけて下さらなかったら、もしこの歌にチャレンジさせて頂かなかったら、今頃夢を諦めて、皆さんともお逢いできていなかったかも知れません。

まだまだ子供だった僕には、歌のテーマも難しく、ハードルの高い歌でしたが、あの時「黒のララバイ」を歌わせて頂けたからこそ、夢へのチャレンジを続けることが出来、そして、念願の歌手になることができたのだと思っています。

大変残念なことに、先日、加門亮さんが天国へ旅立たれました。61歳という若さでした。

ジョン・コルトレーンを彷彿とさせるような、甘くて渋い、大人の色気を感じる加門さんの低音ボイスは、僕の憧れでした。

またお仕事ご一緒させて頂きたかったです。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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